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第23回ITSシンポジウム2025 にて研究発表を行いました(1/2)『独立に収集された交通・購買履歴の非負テンソル分解による行動-属性の関係抽出』
2026.01.06

2025年12月17(水)から18日(木) にかけて,広島国際会議場にて 第23回ITSシンポジウム2025 が行われました.東京大学生産技術研究所 大口研究室修士2年の 佐々木 竜也 が,ポスターセッション「公共交通」に参加し,研究発表を行いました.

論文概要

題名:独立に収集された交通・購買履歴の非負テンソル分解による行動-属性の関係抽出

著者:佐々木竜也,長谷川悠,池谷風馬,千葉智生,出口慶,大口敬(東京大学)

キーワード:transit smart card data, loyalty card data, station-area population, tensor decomposition, population-level analysis

日本では人口増加を背景に,鉄道事業者が交通インフラと商業施設の複合運営を通じて都市の移動と消費を促進する重要な役割を担ってきた.しかし近年,人口は減少傾向にあり,既存インフラを最大限に活用し,既存利用者の維持と新規利用者の獲得を図ることが急務である.本研究の目的は,従来別々に検討されてきた交通行動と購買行動の分析を統合し,鉄道駅周辺の来訪・消費パターンを解明することである.本研究では,改札口入退場記録の交通ICカードデータと,駅周辺商業施設のロイヤルティカードデータという2つの独立したデータセットを利用した.これらのデータセットを活用することで,施設及び周辺地域に居住する個人の数を推定することが可能となる.「時間帯」「平日/休日」「性別」「年齢層」「自宅から駅までの距離」の5変数と,「PSP」「P/Tカテゴリー」の2指標を組み込んだ7次元テンソルを構築した.両データソースの残存人口を集計し,非負テンソル分解を適用して潜在行動パターンを抽出.その結果,平日昼間に購買行動を示す女性層など,政策関連性の高いユーザーセグメントを特定した.本研究の意義は,相互に独立したデータセットを用いた交通行動と購買行動の統合分析手法を開発した点にある.本手法は、既存ビッグデータを用いたさらなる深層分析の枠組みを確立するものである.