ABOUT DTUM ABOUT DTUM

VUCA/人口減少社会においても
持続可能かつ
実践的な都市・交通戦略の
提案や、人々のwell-being向上を
実現するまちづくりやモビリティ実装へ

2024年4月1日、国立大学法人東京大学(以下 東京大学)と阪急阪神ホールディングス株式会社は、東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構に、社会連携研究部門「データインフォームド都市・交通学(英:Data-informed Transit and Urban Management)(略称:DTUM)」を設置しました。

本研究部門では、近年蓄積され利用可能になってきた交通や都市に関わるデータに基づいて、東京大学の多様な研究者と企業の実務者の協働により、持続可能な都市・交通に関する分野横断的かつ実践的なデータ分析/活用方法と知識体系を構築することを目的としています。加えて、成果の実践・社会還元や、東京・大阪での活動を通し、成果の発信や、交通やまちに関する提言を実施していきます。

本研究部門の研究と活動を通して、以下のような「問い」に答えていきます。

  • 交通は、まちの移動・居住・様々な活動にどのように影響しどのように発展に寄与してきたか
  • これからの人口減少・VUCA時代において持続可能かつ人々のwell-being向上に資する「良い交通」「良いまち」とは何か
  • これからの時代において交通とまちはどのような関係にありどのように発展していけるのか
  • これらはデータからどのように示されるのか

※VUCA(ブーカ)とは、「Volatility」「Uncertainty」「Complexity」「Ambiguity」という単語の頭文字を取った単語で、不安定で不確実で複雑で曖昧な状況を示す。

RESULT 想定される結果
  • 01
    都市交通事業や沿線開発による外部効果のメカニズムの解明、沿線利用者の交通行動の特性と都市活動の関係の解明 等

    都市交通事業や沿線開発による外部効果のメカニズムの解明、
    沿線利用者の交通行動の特性と
    都市活動の関係の解明 等

  • 02
    都市・交通の大規模データや様々な情報を組み合わせて知見を導き出す手法の確立

    都市・交通の大規模データや
    様々な情報を組み合わせて
    知見を導き出す手法の確立

  • 03
    構築された知識体系の実際の都市計画/開発への適用

    構築された知識体系の
    実際の都市計画/開発への適用

REDUCTION 成果の社会還元
  • 01
    都市・交通のデータ分析/知識の体系化/実践ができる研究者や実務者の育成

    都市・交通のデータ分析/
    知識の体系化/実践ができる
    研究者や実務者の育成

  • 02
    産学共創のモデルケースとなり、我が国及び国際的に展開

    産学共創のモデルケースとなり、
    我が国及び国際的に展開

  • 03
    シンポジウム・展示・研究発表会・出版などを通し、国内外に成果を発信

    シンポジウム・展示・
    研究発表会・出版などを通し、
    国内外に成果を発信

BACKGROUND DTUMの背景
01 共に発展する都市と交通

交通の整備が都市の拡大を支え、都市の拡大が交通の整備を促進

  • 都市活動を支える交通

    都市活動を支える交通

    都市は需要地かつ供給地です。都市活動を支えるため、都市から生じるものを運びたすために、交通が必要になります。
    政治・経済・生産などの集積地など活動が活発な場所にも必須です。交通施設(特に結節点)が新たな街・都市を形成する作用もあります。

  • 交通の大規模・効率化と都市の拡大

    交通の大規模・効率化と都市の拡大

    近代以降、集積の利益のため都市は機能を複合化・拡大したことで、都市を支える交通が都市のスケールや分布に影響がありました。
    人力・自然・動物の動力を交通に利用していた時代は、都市の拡大に限界を感じ、鉄道(電車)・港湾(船舶)・道路ネットワーク(自動車)等の大量・効率的な輸送手段の整備が、大都市の成立を可能にしました。

02 駅中心のまちづくり

日本の都市部では、鉄道と駅を中心とした都市開発(TOD: Transit Oriented Development)が多く見られ、鉄道駅を中心として、移動・居住・様々な活動がなされる「まち」を形づくってきた歴史がある。

  • 日本型「民鉄」のビジネスモデル誕生

    日本型「民鉄」のビジネスモデル誕生

    19世紀末に日本で鉄道の歴史が始まった当初は、先に駅を開業し、その後周囲に町が自然に形成されるパターンが中心でした。
    20世紀初頭、鉄道会社自らが、鉄道と駅の整備と合わせて、駅への交通アクセスや沿道での多様な事業を展開し都市活動を促進するビジネスモデルが登場しました。

  • 駅を中心とした「まち」の広がり

    駅を中心とした「まち」の広がり

    「民鉄」のビジネスモデルは全国に拡大。
    1923年の関東大震災で都心部が大きな被害を受けると、様々な民間の鉄道会社が都心から郊外へと伸びる路線を整備し、沿線の都市を開発しました。

03 研究のリソース

蓄積されたデータと分野横断的な知見に立脚して、人々の移動・居住・様々な活動や、交通と都市の発展を客観的に分析できるようになってきた

  • 沿線データの蓄積

    沿線データの蓄積

    鉄道沿線を訪れる人々の活動や移動に関するデータを蓄積する顧客データ基盤(CDP: Customer Data Platform)を構築すれば、都市サービスの利用者に紐づいた、これまでにない多様な都市に関わるデータが蓄積できる。

  • 分野横断的な専門性

    分野横断的な専門性

    東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構(UTmobI)
    (https://utmobi.u-tokyo.ac.jp/)では、都市・ 交通学、情報学、データサイエンス等の工学的な知識や技術開発、適正なデータ利用に必要な法務知識、 システム工学や経営工学、人間中心設計等のUXなどの専門性を有する分野横断的な研究者が連携し、研究活動を実施している。